教養講座



第46回

女性が教育を受けることはどのようにとらえられたか

―1900年代と1960年代における議論―

小山静子  京都大学教授    京都大学国際高等教育院  

  平成29年5月20日(土)12時〜13時

  御所西 京都平安ホテル 嵯峨の間


 

 男子教育が女子教育に先んじて行われ、制度化されてきたことは、日本だけでなく、どこの国においてもみられることである。だからこそ、女子教育政策が展開され、女子への教育の普及が図られなければならなかったが、女子への教育が本格化すると、女子教育は男子教育とは異なるまなざしにさらされ、教育を受ける女子は批判の対象ともなっていった。いったいどうしてこのようなことが起きたのだろうか。20世紀初頭に起きた高等女学校に通う女学生に対する批判と、1960年代前半における女子学生亡国論を俎上にあげて、女性が学校教育を受けるということが社会においてどのようにとらえられたのかを、考えてみたいと思う。

第47

「国宝〜その歴史と美について」

 

 宮川 禎一 京都国立博物館上級研究員

  平成29年10月21日(土)13時30分〜15時

  鴨沂会館新館2階  


 

 国宝展のみどころー京都国立博物館ではこの秋、10月3日から1126日まで開館120年を記念して特別展覧会「国宝」を開催します。この講演では展覧会の見所を紹介いたします。特に考古資料の国宝として弥生時代の絵画を持つ銅鐸を展示するのですが、神戸市桜ヶ丘遺跡出土の4号・5号銅鐸と島根県雲南市の加茂岩倉遺跡出土の絵画銅鐸とを比較し、日本最古の絵画とされる弥生時代の線描表現の特性を考えます。また平安時代の遺物として左大臣藤原道長の金銅経筒や道長の娘である藤原彰子の華麗な金銅経箱など平安時代金工品の逸品を紹介します。また鞍馬寺経塚遺物や坂上田村麻呂墓出土品・小野毛人墓誌など京都ゆかりの遺品にも焦点をあてて解説いたします。国宝展鑑賞の一助となれば幸いです。